最新のiPhoneシリーズなどで使われている有機ELディスプレイの概要をまとめました。
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有機ELとは
有機ELのELは「エレクトロ・ルミネッセンス:Electro Luminescence(電子発光)」の略で、発光素子に有機材料を用いたディスプレイのことを有機ELディスプレイと呼んでいる。有機ELディスプレイはOELD(Organic Electro Luminescence Diode:有機発光ダイオード)ディスプレイとも表記される。
有機ELディスプレイと液晶ディスプレイの違い
iPhoneXでは有機ELディスプレイでしたが、iPhone11は液晶ディスプレイが採用されました。有機ELディスプレイと液晶ディスプレイの違いとはなんなのかについてまとめます。
有機ELディスプレイと液晶ディスプレイの仕組み
液晶ディスプレイは、バックライトの前に液晶分子を並べ、電圧のかけ方を変えることで液晶分子の並べ方を変えることで、バックライトを通したり、遮断することでディスプレイを表現している。
それに対して有機ELディスプレイは、色を持った素子そのものが発光することで色を表現している。
有機ELディスプレイのメリット
液晶ディスプレイと比較した有機ELディスプレイのメリットは以下です。
- 液晶より高画質
- 薄くて軽い
- 消費電力が少ない
- 視野角が広い
液晶より高画質
有機ELディスプレイは、構造上、黒色の発色が液晶ディスプレイより良く、高画質な映像を楽しむことができます。
薄くて軽い
有機ELディスプレイにはバックライトと液晶がなく、独立した発光体によって動作するので薄くて軽い構造になっています。
消費電力が少ない
有機ELディスプレイはバックライトがないことから消費電力が液晶ディスプレイより少なくなっています。一般的には有機ELのほうが液晶より30%ほど消費電力が少ないと言われています。
視野角が広い
液晶ディスプレイは、視野角が狭く、斜めからディスプレイを眺めた時に画面が見にくくなります。それに対して有機ELディスプレイは斜めにディスプレイを見ても綺麗に映像を確認することが可能です。
有機ELディスプレイのデメリット
有機ELディスプレイのデメリットは以下です。
- 画面の焼き付きが起こることがある
- 屋外だと画面が見づらい
- 製造コストが高い
画面の焼き付き
焼き付きとは、表示していた残像がディスプレイに残ってしまったり、色がディスプレイについてしまうなどの現象です。
有機ELディスプレイの焼き付き対策についてはApple公式サイトなどで案内があります。
iPhone の Super Retina ディスプレイや Super Retina XDR ディスプレイについて – Apple
上記サイトからiPhoneの有機EL焼き付き対策について、以下のような記述があります。
- iPhone を最新バージョンの iOS にアップデートしてください。新しいアップデートが公開されると、アップデートの案内が表示されます。「設定」>「一般」>「ソフトウェア・アップデート」でアップデートを確認することもできます。
- 「明るさの自動調節」を使って、周辺光に合わせてディスプレイの明るさを自動的に調節してください。この設定はデフォルトで有効になっています。設定状況を調べるには、「設定」>「アクセシビリティ」>「画面表示とテキストサイズ」の順に選択し、下にスクロールして「明るさの自動調節」をオンにします。
- iPhone のディスプレイを使っていないときは、その電源を切るように設定しておきましょう。時間を短く設定しておくことを推奨します。設定を調整するには、「設定」>「画面表示と明るさ」>「自動ロック」の順に選択します。
- 静止画像を最大輝度で長時間表示し続けることは避けてください。iPhone を特に使っていないときでもディスプレイをオンのままにしておく App がある場合は、コントロールセンターを使って明るさを一時的に低くしておけます。
屋外で見づらい
バックライトがないことから、有機ELで出せる輝度には限界があります。そのため、屋外だとディスプレイが確認しにくくなります。また、輝度をあげた状態を維持しつづけるなどといった使い方をすると焼き付きが怒る可能性があるため避けましょう。
製造コストが高い
有機ELディスプレイは液晶ディスプレイより製造コストが高いくなっています。
まとめ
有機ELディスプレイについてまとめました。液晶ディスプレイと比較して、有機ELディスプレイは焼き付きが起こりやすく、液晶ディスプレイより高価であるなどデメリットがありますが、薄くて軽い上、視野角が広いなど様々なメリットがあるディスプレイです。